錦糸町はどんな街?特徴・雰囲気・住みやすさをデータと現地視点で解説

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錦糸町をひとことで言えば、歓楽街と北口再開発の整いが同居する、昭和と令和の境目みたいな街だ。

最近何かと話題のスキームワンルーム投資だが、僕もこのエリアの物件を勢いで購入した被害者だ。20代半ばのなんでもできる気がしていた時期にお決まりの契約書ノールック押印を済ませて購入した物件が錦糸町から10分ほどの物件だったこともあり何度か足を運んだ。また再開発が活発なの北口の墨田区総合体育館でもよく社会人サークルのハンドボールをやっていた。そんな錦糸町は
南口は江東橋の飲み屋街と夜の店が強く、駅前の空気はかなり派手だった。一方で北口は錦糸公園、オリナス、アルカキット錦糸町がまとまっていて、ファミリーや買い物客が普通に流れていた。きれいに磨き上げられた新都心ではないが、東東京で便利さを優先して暮らすならかなり実力のある街だ。


こんな人に向いている/向いていない

向いている人

  • 賑わいのある街を便利さとして受け取れる人
  • 東京の東側や大手町方面に通勤する人
  • 水商売や夜職など、深夜帯まで街が動いているほうが都合のいい人
  • 日用品も外食も駅前でほぼ完結させたい人
  • 区画が比較的整った北口側で暮らしたい人
  • スカイツリーを生活圏の景色として楽しみたい人

錦糸町は、静かな住宅街を駅前に求める街ではなかった。その代わり、交通、買い物、外食、深夜帯の人通りが全部近い。特に東東京勤務や夜型の生活とは噛み合いやすい街だ。

向いていない人

  • 新しい街特有のクリーンさを最優先する人
  • 自宅近くは夜になると静かであってほしい人
  • 客引きや酔客のいる繁華街の空気が苦手な人
  • 駅前よりも落ち着いた文教住宅地を求める人

南口は歓楽街としての性格がはっきりしている。北口に寄せればかなり住みやすくなるが、それでも駅の近くである以上、街全体の雑多さは消えない。錦糸町に住むなら、この街のクセを便利さ込みで飲み込めるかが分かれ目だ。


数字で見る錦糸町

指標 錦糸町のデータ 見方
駅周辺人口 27,604人 錦糸一〜四丁目・太平一〜四丁目・江東橋一〜五丁目の合計
25〜39歳人口比率 8,525人(30.9%) 単身・DINKsの厚みが強い
駅利用者数 JR 97,049人/日、東京メトロ 104,930人/日 JRは2024年度1日平均乗車人員、メトロは2024年度1日平均乗降人員
家賃相場 1K 11.37万円、1LDK 20.13万円 駅徒歩10分以内のLIFULL HOME'S相場
駅周辺の犯罪認知件数 626件、千人あたり22.7件 2025年の町丁目別件数を駅周辺人口で割って算出

年代別人口構成

年代 錦糸町駅周辺 墨田区
0〜14歳 2,259人(8.2%) 26,855人(9.3%)
15〜24歳 2,246人(8.1%) 25,179人(8.7%)
25〜39歳 8,525人(30.9%) 79,259人(27.4%)
40〜54歳 6,494人(23.5%) 64,181人(22.2%)
55〜64歳 3,543人(12.8%) 34,895人(12.1%)
65〜74歳 2,003人(7.3%) 23,903人(8.3%)
75歳以上 2,534人(9.2%) 35,054人(12.1%)

数字を見ると、錦糸町はまず若い働く世代が多い。25〜39歳比率は駅周辺全体で30.9%あり、南口側の江東橋だけで見ると34.9%まで上がる。南口に単身者、夜型の生活、繁華街利用者が集まりやすい構造がそのまま出ていた。

墨田区全体と比べても、錦糸町駅周辺は25〜39歳が3.5ポイント高く、75歳以上は2.9ポイント低かった。高齢化した下町というより、駅前の利便性に寄った現役世代の街として見たほうが実態に近い。
僕のもともとのイメージだともう少し下町の原住民みたいな人たちが生息しているのかと思っていたが、高齢者の割合が思ったよりも低かった。この周辺で子育てをしている友人もいて、再開発エリアは意外とファミリー層にも人気なのかもしれない。

北口側の錦糸・太平は16,704人、南口側の江東橋は10,900人だった。人口規模は北口側のほうが大きいが、治安の数字は逆で、犯罪認知件数の千人あたりでは北口側16.3件、南口側32.5件だった。つまり錦糸町は、駅を挟んで北と南でかなり性格が違う。

家賃は安くない。1Kで11万円台、1LDKで20万円台に乗るので、東東京の中では便利さにしっかり家賃が乗っている。総武快速線、中央・総武線各駅停車、半蔵門線が使えて、駅前商業も強いのだから当然ではある。

ちなみに僕の所有していた物件は徒歩10分ほどで9万円ちょっとの家賃で貸していて、周辺の相場もそのくらいだった。

家賃相場について、自分のこだわりの条件で探した場合には値段が上下するため、あくまでも偏差値的な見方をするのがおすすめだ

注意書き: 人口は令和8年4月1日時点の町丁目別年齢別人口を、犯罪認知件数は2025年の警視庁データをもとに、錦糸町駅周辺として錦糸・太平・江東橋を集計した。

出典: 墨田区 町丁別年齢別人口現況(令和8年4月1日現在)CSV警視庁 区市町村の町丁別、罪種別及び手口別認知件数CSV(令和7年)JR東日本 各駅の乗車人員 2024年度東京メトロ 錦糸町駅LIFULL HOME'S 錦糸町駅の家賃相場


交通・アクセス

鉄道

路線 使い方 体感
JR総武快速線 東京・新橋・品川方面、千葉方面へ直通 東側勤務にも都心通勤にも強かった
JR中央・総武線各駅停車 秋葉原・新宿方面へ一本 黄色い電車で西側へそのまま伸びる感覚がわかりやすい
東京メトロ半蔵門線 大手町・渋谷方面へ直通 乗り換えなしで都心のオフィス街へ刺さる

錦糸町の交通は、東東京の駅としてかなり強い。東京駅へは総武快速線で8分前後、渋谷へは半蔵門線で30分弱なので、都心へ出るうえで中途半端さがない。しかもJRは各駅停車と快速の分岐駅なので、東西どちらへ動くにも判断しやすい。とはいえ渋谷以外の山手線西エリアは物理的距離もあるのでわざわざ錦糸町に住居を構えるほどではないだろう。

バス・道路

道路は京葉道路と四ツ目通りが軸で、動線はかなり単純だった。車で見ても「都心へ向かう」「千葉方面へ抜ける」がはっきりしていてわかりやすい反面、西東京方面へ自在に散るタイプの街ではない。首都高も近く、東側に行くほど車との相性は悪くない。

バスは都営バスの本数が多く、錦糸町駅前を拠点に門前仲町、東京駅、押上、亀戸方面へ広がる。鉄道だけで完結する駅ではあるが、バスを使うと下町側の細かい移動もしやすい。

個人的にはこういった繁華街を形成するターミナル駅系の駅に住むことのメリットは、周りから集まってくるバスなどの動線を最大限生かせることにあると思っている。もしここで生活をするならバスの導線は抑えたい。

出典: 東京メトロ 錦糸町駅JR東日本 各駅の乗車人員 2024年度


買い物・飲食・商業施設

スーパー・日用品

日用品の強さは錦糸町のかなり大きな武器だ。駅ビルのテルミナ、北口のアルカキット錦糸町、オリナスが徒歩圏に固まり、北口ではライフやブランデのような普段使いのスーパーも押さえられる。南口にも錦糸町マルイや楽天地があり、服もドラッグストアも外食も揃う。

特に北口は、錦糸公園と大型商業施設が一体で動いていて、子ども連れでも回しやすい。南口は買い物もできるが、主役はあくまで繁華街だ。

ただ、南口も菊川方面にずれると人気はなく、道路が主役の静かなエリアになる。所有していた物件はこの辺りのエリアで自分個人的には住みたいとは思わなかったが、錦糸町南口でも夜が静かなエリアはあるのだと興味深かった。

飲食店・外食事情

飲食は強い。チェーンの密度が高く、居酒屋、焼肉、ラーメン、ファストフード、深夜営業の店まで揃っている。南口の江東橋側は、飲みに行く街としての錦糸町が一番わかりやすく出ていた。

価格帯は、ランチなら1,000円前後で選択肢が多く、居酒屋も3,000〜5,000円帯で回しやすい店が多い。高級グルメの街ではなく、日常使いの外食がとにかく厚い街だ。

商店街・その他

錦糸町は、昔ながらの商店街の街というより、駅前の大型商業と繁華街が組み合わさった街だ。北口は再開発で整えられた広場と大型施設が目立ち、南口は飲食街と雑居ビルが街の印象を決める。どちらも便利だが、街の使い方はかなり違う。

出典: オリナス錦糸町 サービスのご案内オリナス錦糸町 交通アクセス錦糸町マルイ アクセス情報マルイ・モディ各店の営業時間について


治安・災害リスク

治安データ

指標 数値 補足
錦糸町駅周辺合計 626件、千人あたり22.7件 錦糸・太平・江東橋の合計
北口側(錦糸・太平) 272件、千人あたり16.3件 錦糸公園・オリナス側
南口側(江東橋) 354件、千人あたり32.5件 楽天地・飲み屋街側
東京23区で件数最多 新宿区 6,977件 2025年の区計
東京23区で件数最少 文京区 1,329件 2025年の区計

治安は、墨田区全体を雑に語るより、錦糸町駅の南側をどう見るかで判断したほうが早い。江東橋三丁目が191件、江東橋四丁目が108件で、数字は南口の繁華街にかなり寄っていた。客引き、酔客、深夜帯の往来が多い街なのだから当然だ。

逆に北口側は、駅前に人通りが多い割に数字は抑えめだった。もちろん完全に穏やかな街ではないが、錦糸公園や大型商業施設が中心なので、南口よりは生活の街として見やすい。住むなら、治安面では北口に寄せたほうが明確に無難だ。

災害リスク

災害リスクでは、水害を軽く見ないほうがいい。墨田区の水害ハザードマップでは、荒川が氾濫した場合に区の大部分が浸水するおそれがあると明記されている。錦糸町は低地の東東京らしく、地震より先に水の弱さを意識する街だ。

ただし、北口には関東大震災の復興事業として整備された錦糸公園があり、太平四丁目・錦糸四丁目周辺では地区計画によって公園や横十間川を生かした再整備も進められてきた。防災面でも、古いごちゃついた密集地ばかりというわけではない。

くろしばメモ: 夜に歩いた印象では、南口は繁華街の空気を隠す気がなく、北口はファミリーや買い物客が混ざってかなり見え方が違った。同じ駅前でも、南口を見て「住みたくない」と感じる人は普通にいると思うが、前述の通り物件単位で選べば南口でも静けさは実現可能だ。

出典: 警視庁 区市町村の町丁別、罪種別及び手口別認知件数CSV(令和7年)墨田区 町丁別年齢別人口現況(令和8年4月1日現在)CSV墨田区水害ハザードマップ錦糸公園錦糸公園周辺地区地区計画


エリアごとの違い

北口側

北口は、錦糸町の中ではかなり住みやすい側だ。錦糸公園、オリナス、アルカキット錦糸町がまとまっていて、駅前の圧に対して生活機能の整い方が勝っていた。墨田区も錦糸公園周辺を「広域総合拠点」「副都心錦糸町」の核として育成していて、再開発で作られた整った空気がある。

ただし、北口も無機質な新都心ではない。少し歩けば下町らしい古さは残るし、駅前の人の多さも消えない。それでも「住むならまず北口から見る」が正解だと思う。

北口の公園はかなり広く、夜も周りとの境界線なく開放されているので、体育館の帰りに談笑するのがいつものパターンだった。昼は子連れ、ファミリーが多いが夜ものんびりとできるエリアがあるのはポイントが高い。

南口側

南口は、錦糸町の歓楽街としての本体だ。江東橋の飲み屋街、楽天地周辺、夜の店が連なり、昼と夜で顔つきがかなり変わる。便利なのは間違いないが、静かに暮らしたい人には向かない。

一方で、水商売や深夜営業の仕事をしている人にはかなり相性がいい。遅い時間でも街が死なず、食事も移動も困りにくいからだ。良くも悪くも、南口は生活と繁華街が分離していない。

出典: 錦糸町駅北口地区第一種市街地再開発事業錦糸公園周辺地区地区計画


筆者の結論:結局錦糸町はどんな街か

錦糸町は、東東京でかなり完成度の高い歓楽街寄りターミナルだ。

交通は強い。総武快速線で東京方面に刺さり、各駅停車で新宿方面へ伸び、半蔵門線で大手町や渋谷にも乗り換えなしで届く。駅前には大型商業施設が固まり、日用品も外食もほぼ駅前で完結する。東側勤務の単身者や共働き世帯にとっては、かなり回しやすい街だ。

ただし、街のベースはあくまで繁華街だ。南口は江東橋の夜の空気が強く、客引きや酔客が視界に入ることも普通にある。数字でも南口側の犯罪認知件数は北口側の倍近い水準だった。だから、錦糸町を「便利な住宅街」とだけ捉えると判断を誤る。

その代わり、北口がかなり効いている。錦糸公園、オリナス、アルカキット錦糸町、再開発で作られた街区があるおかげで、この街は単なる飲み屋街で終わっていない。南口の猥雑さを北口の生活機能が受け止めていて、昭和の盛り場と令和の暮らしやすさが無理やり同居している。それが錦糸町の正体だ。

ワンルーム投資の舞台になったエリアだったこともあり、手放す前は現実逃避のためあまり近づきたくなかったがなんとか売り抜けた後は、どんな物件を買わされたのかを俯瞰して観察することができた気がする。

結論はシンプルで、賑わいを便利さとして使える人には向くが、街の清潔感や静けさを最優先する人には向かない。住むなら北口寄り、遊ぶなら南口寄り。この割り切りができるなら、錦糸町はかなり使える街だ。

くろしばの個人評価:★★★☆☆


よくある質問

Q. 錦糸町の家賃相場はどのくらい?

A. LIFULL HOME'Sの掲載相場では、錦糸町駅は1Kが11.37万円、1LDKが20.13万円だった。東東京では高めだが、交通の強さと駅前商業の厚みを考えると妥当な水準だ。

Q. 錦糸町の治安は良い?

A. 駅全体で見ると普通に注意が必要だ。特に南口の江東橋側は繁華街色が強く、2025年の犯罪認知件数でも北口側よりかなり高かった。住むなら北口寄りのほうが無難だ。

Q. 錦糸町は一人暮らしに向いている?

A. 向いている。通勤、買い物、外食の回しやすさはかなり高い。ただし、静かな住環境を最優先するならミスマッチなので、街の便利さと引き換えに雑多さを受け入れられるかが基準になる。


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この記事を書いた人

くろしば

くろしば

WEBエンジニア。東京都中野区在住の2児の父。東京、埼玉、神奈川に10箇所ほど住んできました。街を観察しながら散歩するのが趣味。実際に足を運んだ地域だけを、自分の視点で書いています。歩いて感じた風景と実際の数値を照らし合わせて、新たな発見が出来るような記事を投稿していきます。

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