僕はここから渋谷に行くまでの途中の場所で仕事をしていたこともあり、毎日の通勤動線でもあったこのエリアに住んでいる人を羨ましく感じていた。
代々木公園をひとことで言えば、渋谷の近さと代々木公園を使って便利に洒落込むための街だ。
家賃が安いはずもないエリアだが、渋谷まで徒歩圏内で目の前が公園という最高のロケーションを利用可能だ。
それだけではなく、ほぼ同じ場所にある代々木八幡の駅前は飲食店もある。
一方で、家賃はしっかり高いので、高いコストを払ってでもこの立地を使い倒したい人向けの街だと思う。
こんな人に向いている/向いていない
向いている人
- 便利でおしゃれな街に住みたい人
- 休日に代々木公園でジョギングや散歩をしたい人
- 渋谷、原宿、新宿を徒歩や自転車で使い分けたい人
- 代々木八幡駅も含めて小回りの利く交通を取りたい人
- 近所の飲食やスーパーに安さより質を求める人
代々木公園の強みは、公園前ののどかさだけではない。渋谷区らしい都心近接と、富ヶ谷・奥渋の大人っぽい雰囲気が同居していて、生活圏をコンパクトに濃く作れる。特に単身者やDINKsにはかなり相性がいい。
正直こんなオシャレなところに僕も住んでみたかった、と思いながら愛車のカブで横を通過していた。
向いていない人
- 家賃を抑えたい人
- バイク置き場や駐車場を物件選びの軸にする人
- 東京駅、品川駅方面へ毎日すっきり通いたい人
- 大型商業施設やディスカウント色の強い買い物環境を求める人
- 駅前の開放感や再開発のわかりやすいきれいさを重視する人
代々木公園は、都会寄りだ。駅前に巨大商業施設があるわけでもなく、車移動前提でもない。コストを抑えてバランス良く暮らしたい人より、都心の近さと空気感にお金を払える人の街だ。
数字で見る代々木公園
| 指標 | 代々木公園のデータ | 参考 |
|---|---|---|
| 駅周辺人口 | 12,520人 | 渋谷区 230,880人 |
| 25〜54歳比率 | 54.1% | 渋谷区 50.2% |
| 外国人比率 | 6.8% | 渋谷区 5.8% |
| 代々木公園駅の1日平均乗降人員 | 28,862人(2024年度) | 東京メトロ130駅中111位 |
| 家賃相場 | ワンルーム 12.8万円、1K 13.0万円 | 1LDK 31.5万円、2LDK 36.5万円 |
数字で見ると、代々木公園は「公園の近くの静かな住宅地」というだけではない。駅周辺4町の25〜54歳比率は54.1%で、渋谷区平均の50.2%より高い。若手だけではなく、ある程度収入に余裕のある働く世代が厚い街だと見ていい。
道行くファミリーはいかにもリッチな雰囲気を漂わせており、西洋人ファミリーも多く見かける。
感覚通り、#外国人比率も6.8%で渋谷区平均の5.8%を上回った。
そのわりに、東京メトロの駅としての乗降人員は2万8862人とかなり大きい駅ではない。代々木八幡駅や渋谷駅徒歩圏まで含めて人が分散しているからだと思う。
| 年代 | 代々木公園駅周辺 | 渋谷区 |
|---|---|---|
| 0〜14歳 | 1,370人(10.9%) | 23,162人(10.0%) |
| 15〜24歳 | 964人(7.7%) | 18,112人(7.8%) |
| 25〜39歳 | 3,302人(26.4%) | 56,788人(24.6%) |
| 40〜54歳 | 3,469人(27.7%) | 59,177人(25.6%) |
| 55〜64歳 | 1,533人(12.2%) | 30,320人(13.1%) |
| 65〜74歳 | 845人(6.7%) | 18,333人(7.9%) |
| 75歳以上 | 1,037人(8.3%) | 24,988人(10.8%) |
注意: 人口・年齢・外国人比率は2026年1月1日時点。駅単位の公式統計がないため、富ヶ谷1〜2丁目、神山町、代々木神園町を駅周辺の近似として集計している。
家賃相場について、自分のこだわりの条件で探した場合には値段が上下するため、あくまでも偏差値的な見方をするのがおすすめだ
出典: 渋谷区 町丁目別年齢別人口、渋谷区 外国人登録人口、東京メトロ 各駅の乗降人員ランキング、SUUMO 代々木公園駅の賃貸マンション家賃相場
交通・アクセス
鉄道
| 路線 | 主要地点への近さ | 備考 |
|---|---|---|
| 東京メトロ千代田線 | 明治神宮前〈原宿〉まで1駅、表参道まで2駅 | 都心西側と大手町方面へ直通で動きやすい |
| 小田急小田原線(代々木八幡駅) | 新宿方面の補助線として使いやすい | 駅北西側では実質徒歩連絡の感覚 |
代々木公園の交通は、「千代田線の駅」という説明だけでは足りない。明治神宮前、表参道、霞ケ関、大手町方面へは素直に強く、さらに駅北側では代々木八幡駅が近いので、小田急線も生活動線に入りやすい。東京メトロ単独駅のわりに選択肢が多い。
ただ、この街の本当の強さは電車だけではなかった。渋谷駅が徒歩圏で、原宿や代々木上原も自転車で処理しやすい。新宿と渋谷の間に住んでいる感覚があり、都心を楽しみながら移動コストを下げられる。
バス・その他
道路では井の頭通りと山手通りが近く、タクシーや車移動の逃げ道はある。ただし、街そのものは駐車場余裕のあるエリアではない。車や大型バイクを持つより、徒歩、自転車、LUUP、電車を組み合わせたほうがこの街の利点を取りやすい。
出典: 東京メトロ 代々木公園駅、東京メトロ 各駅の乗降人員ランキング
買い物・飲食・商業施設
スーパー・日用品
代々木公園は、日用品に困る街ではない。駅近にマルマンストア代々木八幡店、成城石井富ヶ谷店、肉のハナマサ富ヶ谷店、少し広げればマルエツプチ富ヶ谷一丁目店もあり、日常の買い回りは成立している。
ただ、価格感は明らかに都心寄りだった。安さで殴る駅ではなく、便利さと質で整えている街だ。毎日の食費を最優先で抑えたい人には強くないが、仕事帰りにさっと買って帰る生活とは相性がいい。
ハナマサは僕のイチオシだ。ここのハナマサは崖下も綺麗だし、業務スーパー特有の貧乏感のある雰囲気もない。客層も品のある人が目立つが、価格は他店舗と変わらない。
とくに僕の行きつけの方南町のハナマサにはないマルの鮮魚が充実していて、よく真鯛を買って帰っていた。
飲食店・外食事情
飲食はかなり強い。代々木八幡駅前の商店街にはローカルな飲食店が密集し、神山町から奥渋にかけてはカフェ、ベーカリー、ワイン、個人店のレストランが目立つ。センター街のような騒がしさではなく、大人向けに店数が多い街だった。
その代わり、外食単価は安くない。気軽なチェーンだけで回す街ではなく、ちょっといいランチや一杯飲む店に自然とお金が流れやすい。飲食好きには魅力だが、節約志向だと固定費が家賃以外でもじわじわ効く。
まぁそもそも節約思考の人がこんなオシャレな街に住むのも矛盾してる気がするが。
商店街・その他
代々木八幡商店会があるので、駅前が完全な無機質再開発にはなっていないのがいい。公園前の抜け感、富ヶ谷の生活感、奥渋の文化っぽさが狭い範囲に圧縮されていて、散歩していて退屈しにくい街だった。
遭遇する人がいるかはわからないが、代々木八幡駅の踏切は朝のラッシュ時にはめちゃめちゃ待たされる。
高架でも地下でもない線路は都心では珍しくなってきているが、この小田急線に残された踏切で10分近く待たされて仕事に遅れたことがあるのでここを通勤路にする人は要注意だ。
出典: くふう トクバイ 代々木公園周辺のスーパー・食料品店、代々木八幡商店会 商店会マップ
治安・災害リスク
治安データ
| 指標 | 数値 | 比較 |
|---|---|---|
| 駅周辺4町の犯罪認知件数 | 126件(2025年) | 人口1,000人あたり約10.1件 |
| 富ヶ谷1丁目 | 48件 | 駅前商店街と人通りを含む |
| 富ヶ谷2丁目 | 22件 | 住宅地寄りで件数は抑えめ |
| 神山町 | 33件 | 奥渋側の飲食と通行量を含む |
| 渋谷区全体 | 12,816件 | 人口1,000人あたり約55.5件 |
| 23区で最も件数が多い区 | 新宿区 20,931件 | 件数ベースで最多 |
| 23区で最も件数が少ない区 | 文京区 3,987件 | 件数ベースで最少 |
代々木公園駅周辺の治安は、数字だけ見れば渋谷区平均よりかなり落ち着いていた。駅周辺4町の犯罪認知件数は126件、人口1,000人あたり約10.1件で、渋谷区全体の55.5件を大きく下回る。渋谷区平均が高いのは繁華街を丸ごと抱えるからで、代々木公園は同じ区内でもかなり生活地寄りだ。
平和なベッドタウンが1000人あたり7件程度だったことを考えるととんでもない件数なので、平和を求める人は心の準備は欲しいところ。
とはいえ体感でも、センター街のような張り詰めた荒さはなかった。夜は飲食店が多いぶん人通りは残るが、騒ぎの質はかなり大人しい。むしろ気になるのは、静かな住宅地と飲食集積の境目が近く、一本入ると急に暗くなる道があることだ。安心しきる街ではないが、渋谷駅周辺を想像して来るとだいぶ違う。
僕の嫌いなセンター街のせいで渋谷区ごと嫌いになっている人もいるのではないかと思うが、ここでは違った渋谷が見られることも覚えておいて欲しい。
災害リスク
災害面では、渋谷区が外水と内水の浸水想定をまとめた洪水ハザードマップを公開している。渋谷区の地形説明でも、区内は淀橋台地と谷地形が入り組むとされている。代々木公園駅周辺は代々木公園の高まりや台地感があり、渋谷川沿いの低地ほどの水害イメージは強くない。ただし、坂の上下や旧河川に近い筋では見え方が変わるので、物件単位でハザードマップは確認したい。
避難場所としては「明治神宮・代々木公園一帯」が指定されているのは強い。巨大な避難空間が近いのは、この街ならではの安心材料だ。
とはいえこのエリアに土地を買う人はとてもレアだと思うのであまり深掘りする必要がないのかも。
強いていえば地盤の弱いエリアは、硬い地盤の層に届くまで深く根っこを刺さないとマンションを建てることができないのでコストは上がる傾向にあると、建築士の友人から聞いたことがある。
くろしばメモ: 夜の空気は落ち着いていた。奥渋側は大人の飲食街、富ヶ谷側は生活街という分かれ方で、どちらも渋谷駅周辺よりずっと息がしやすい。ただし静かすぎる住宅地ではなく、都心の夜らしい明かりと人の気配は残る。
出典: 警視庁 区市町村の町丁別、罪種別及び手口別認知件数、渋谷区 洪水ハザードマップ・浸水実績、渋谷区 一時集合場所・避難場所・地区内残留地区一覧、渋谷区 地理
エリアごとの違い
代々木八幡・富ヶ谷1丁目側
駅前らしさが濃いのはこっちだ。商店街が近く、スーパーも使いやすく、日常の外食もしやすい。代々木公園駅単独というより、代々木八幡駅と一体の生活圏として動けるので、交通の便利さもわかりやすい。
神山町・奥渋側
渋谷寄りで、街の見え方が一気に洗練される。個人店の飲食やカフェが多く、歩いていて楽しいのはこっちだと思う。ただし生活コストも上がりやすく、静かな住宅地を求めるというより、文化と都心の近さを買うエリアだ。
奥渋と言う言葉も渋谷通なら知っている言葉だが、このエリアは奥渋がほど近いのでそれも価値として認識しておくのがいいと思う。
僕もこのあたりに通勤するようになるまでは知らなかった言葉だ。
安倍元首相や麻生大臣宅もこの辺のエリアなので個人的には高貴なイメージも持っている。
富ヶ谷2丁目・上原寄り
駅から少し離れるぶん住宅地色が強まる。富ヶ谷1丁目の駅前感や神山町のにぎわいより、落ち着いて住む感覚が出やすい。とはいえ庶民的に安い住宅地ではなく、上原側の上品さがそのまま滲んでいる。
筆者の結論:結局代々木公園はどんな街か
結論として、代々木公園は「渋谷のそばでオシャレに暮らしたい人のための高家賃駅」だと思う。
この街は、公園の前でのんびりするだけの場所ではない。奥渋で飲めて、代々木八幡の商店街も使えて、渋谷駅にも歩ける。新宿と渋谷の間に住みながら、センター街のど真ん中には住まない。この距離感がすごくうまい。
ただし、そのうまさにはちゃんと金がかかる。ワンルームで12万円台、1Kで13万円台は気軽に選べる価格ではないし、日常の買い物や外食も安売りの街ではない。だから向いているのは、便利さと雰囲気に対して素直にお金を払える人だ。逆に、家賃重視や東側通勤重視なら別の駅を選んだほうが納得感は高い。
くろしばの個人評価:★★★★☆
代々木公園そのものの強さに加えて、渋谷徒歩圏と代々木八幡の使いやすさまで乗ってくるのはかなり魅力だった。公園前駅にありがちな「雰囲気はいいが不便」という弱さがなく、都心生活の穴場感があった。
よくある質問
Q. 代々木公園の家賃相場はどのくらい?
A. SUUMOの2026年4月13日更新データでは、新築・駅徒歩1〜5分の賃貸マンション相場はワンルーム12.8万円、1K13.0万円、1LDK31.5万円、2LDK36.5万円だ。かなり高い部類に入る。
Q. 代々木公園の治安は良い?
A. 駅周辺4町の2025年犯罪認知件数は126件で、人口1,000人あたり約10.1件だった。渋谷区全体の約55.5件よりかなり低く、渋谷駅周辺よりはずっと生活地寄りだ。
Q. 代々木公園は一人暮らしに向いている?
A. 向いている。家賃は高いが、都心アクセス、外食、買い物、公園の近さがまとまっていて、特に単身の社会人にはかなり使いやすい。安さを求める一人暮らしには向かない。
Q. 代々木公園はファミリーにも向いている?
A. 公園の大きさや避難場所の強さは魅力だが、街全体としては単身者やDINKs向きの色が強い。ファミリーでも住めるが、家賃水準と駅前の生活コストは重い。
Q. 代々木公園は渋谷まで歩ける?
A. 歩ける。特に神山町や奥渋側からは、渋谷駅まで散歩延長の感覚で着ける距離感だ。代々木公園の価値は、この徒歩圏の広さにもある。
出典: SUUMO 代々木公園駅の賃貸マンション家賃相場、警視庁 区市町村の町丁別、罪種別及び手口別認知件数
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